病気・症状 事典
5.メディカル用語事典
浸潤(しんじゅん)・転移(てんい)
1.浸潤
浸潤とは、炎症や悪性腫瘍が発生した場所で増え続け、隣接する組織や臓器へ広がっていく現象のことです。一般的に、「浸潤」というと、「液体がしみとおってぬれること。思想などが人々の間にしみこみ広がること。」とされていますが、ここでは、主に、がんについて説明していきます。
種類としては「浸潤がん」の他、「非浸潤がん」に分類されます。非浸潤がんは浸潤しないため、“転移しないがん”とも言われています。乳がんの中では、10%程度が非浸潤がんとされています。
2.転移
がん細胞が浸潤し、浸潤先の周囲にある血管やリンパ管に入り込み、その血液やリンパ流れによってたどり着いた場所で増殖することを?転移"といいます。がんは、「増殖」→「浸潤」→「転移」を繰り返しながら進行していきます。
転移は、主に次のように区別されます。
(1)リンパ行性転移
がん細胞が周囲にあるリンパ管に侵入し、リンパ流にのってリンパ節で転移性腫瘍をつくります。
(2)血行性転移
がん細胞が周囲にある毛細血管や静脈に侵入し、血流にのって他の臓器に転移性腫瘍をつくります。
(3)播種性転移
がん細胞が胸腔(きょうくう)内や腹腔(ふっくう)内で、別の部位に、あたかも種をまいたように転移性腫瘍をつくります。
