病気・症状 事典
5.メディカル用語事典
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)
1.溶連菌感染症とは
冬期に入ると寒さや乾燥が厳しくなり、インフルエンザ等の様々な病気が増加します。近年、「RSウイルス感染症」と「溶連菌感染症」が流行し、テレビや新聞等の話題になることが多くなりました。今回は溶連菌感染症について説明します。なお、RSウイルス感染症については、こちらをご覧下さい。
溶連菌は、正式には「溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)と呼ばれている細菌です。いくつかのタイプがありますが、人に対して感染症を起こす頻度が高いものが、「A群β(ベーター)溶血性連鎖状球菌」であり、一般的に、溶連菌感染症と呼ばれます。
主に2~3才から小学生くらいまでの乳幼児や子供によく見られますが、成人になっても感染する恐れがあります。
2.原 因
溶連菌に感染することにより発症します。主な感染経路は、飛まつ感染(溶連菌に感染している人の咳やくしゃみ、会話などで飛び散るしぶきを吸い込むことで感染する場合)です。症状がなく健康な状態でも溶連菌を保菌していることもあります。しかし、この場合でも他人に対しての感染力を持っています。家庭内や会社、学校など、人が多く集まる場所ではマスクの着用、手洗いやうがいが大切です。
3.症 状
一般的に溶連菌に感染後2~4日間の潜伏期間の後、高熱と強い痛みを伴う?のどの粘膜の赤いはれ"が表れます(咳や鼻みずがでることはほとんどありません)。また、舌の表面に赤いブツブツがでます(苺舌と言います)。さらに、扁桃腺が腫れて膿が溜まるのも典型的な症状です。合併症を引き起こしやすい細菌とも言われています。
大人は感染しても、多くの場合、症状が出ません。しかし、発症すると子供よりも症状が重くなるケースが多く見られます。
4.検査・治療
検査は、のどの粘膜についた細菌を摂取して検査します。検査の結果、溶連菌感染症の場合、抗生物質と熱やのどの痛みをとる薬による投薬療法になります。投薬によって2~3日程度で、熱が下がり、のどの痛みも引きますが、医師に指定された抗生物質を服用しなければなりません。10日程度です。症状が良くなっても、溶連菌が残っていると、再発したり、更に重い症状になったりと、急性糸球体炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こすことがありますので要注意です。
