病気・症状 事典
5.メディカル用語事典
ジカウイルス感染症 (=ジカ熱)
1.ジカウイルス感染症 (=ジカ熱)とは
ジカウイルス感染症、もしくは、ジカ熱は、ジカウイルスに感染することによって引き起こされ感染症です。主に、ジカウイルスを媒介する蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって生じる感染症です。
未だ日本国内で感染した症例はなく、アフリカ、南アジア、東南アジア、中南米での流行が確認されています。近年はブラジルを中心に中南米に感染が拡大しており、2016年8月にブラジルのリオデジャネイロで開催されるオリンピックについて、不安視する声も上がっています。
2.症 状
ジカウイルスを媒介する蚊に刺されてから症状が現れるまでの潜伏期間は2日~1週間とされています。ジカウイルスに感染していても、ほとんどの場合(約8割)、症状がないか、感染に気付かない程度の軽い症状です。
主な症状は、軽度の発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、眼球結膜充血等で、数日で症状がおさまるケースがほとんどです。
3.感染経路
主に、ジカウイルスを媒介する蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって引き起こされます。
その他には、妊娠中に母体がジカウイルスに感染すると、母子感染を引き起こす可能性があるとされており、胎児に小頭症等の先天性障害をきたす疑いがあるとされています。母子感染については、2016年3月に世界保健機関(WHO)から、妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告が出ています。
また、性行為により男性から女性パートナーへ感染したケースも報告されています。
4.予 防
ジカウイルス感染症の流行地域では、蚊に刺されないように注意をしましょう。長袖、長ズボン等素肌をさらさない衣服を着用し、防虫剤、蚊帳を使用するなど対策を講じることが大切です。
未だジカウイルス感染症に対しての特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法による治療になります。
